広島・廿日市市には宮島などがあり多くの観光客で賑わいます。
また、廿日市で歩いているとどこのお店にも「牡蠣」という看板が出ています!廿日市に来たら必ずといっていいほど食べることになる焼き牡蠣ですが、なんで広島・廿日市市で牡蠣が有名なのか?牡蠣の養殖でも有名な広島・廿日市の養殖場に行ってみました!
広島・廿日市の牡蠣の歴史は?
広島では古くから牡蠣が有名ということは皆さんもご存知だと思います。
どれぐらい昔から広島=牡蠣というイメージが強くなったのでしょうか?
"広島湾では古くから天然のかきがとれ、人々は、岩や石についているかきを自由にとって食べていました。このことは、縄文時代や弥生時代の貝塚からかきの殻がでてくることからわかります。
注:弥生式貝塚:矢野、牛田、祇園などにあります。
人々は長い間天然のかきをとって食べていましたが、室町時代の終わり頃(天文年間:1532~‘55年)に初めてかきの養殖が始まりました。このことは、大正13年に草津村役場が発行した草津案内に「天文年間、安芸国において養殖の法を発明せり」と書かれています。
しかし今となっては安芸国がどのあたりか、どのような養殖方法だったのかよくわかりません。もっともそのころのことですから原始的な方法で、生産量もわずかなものであったと思われます。
その後長い間、人々は良いかきをたくさん作るために、色々な工夫や努力を続けてきました。養殖方法を見ても、最初の石蒔き式養殖法や地蒔き式養殖法からひび建て養殖法へ、そして現在の垂下式養殖法(杭打ち式→筏式)へと大きく進歩し、それにつれて、生産量も飛躍的に伸びてきました。"
との記載があります。
なんと、縄文時代や弥生時代から牡蠣を食べていたということがわかります。
歴史的にも非常に牡蠣が育ちやすいような環境であったということで、広島は牡蠣で有名になるべくしてなったということですね。
廿日市の中でも有名な地御前という土地の養殖場が有名
広島の中でも、牡蠣の養殖が盛んな廿日市・地御前を今回は紹介していきたいと思います。
宮島を含む海に面した廿日市市ですが、その中でも地御前という土地が牡蠣の養殖場として非常に有名になっています。
"広島湾一帯では、縄文・弥生の時代から天然のかきが食べられていました。
湾には、豊かな中国山地の山懐から注ぎ出る太田川の清流が流れ込み、清流は内海の海水と混ざり、湾を巡るうちに 日光をいっぱいに浴びた栄養素の高いプランクトンを繁殖させ、「かきの自然のゆりかご」をつくっています。
特に、世界遺産「宮島」に対岸に位置する地御前は、ふくよかな汐が最も多く集まる海域で、玉のようなつややかな身に、くっきりとした黒いひだを持った「じごぜんかき」を誕生させているのです。
それが「じごぜんかき」の、おいしさの秘密なのです。"
との説明があり、昔からの土地の特徴から牡蠣の成長に必要なプランクトンが生成されやすい地域と言えそうです。
そのため、その環境を利用して地域の人が地御前を牡蠣の養殖場として活用していると考えられます。
また、地御前の牡蠣は全国でもブランドとして扱われています。
廿日市市役所が地御前の牡蠣について紹介しているページでは、
"地御前漁業協同組合の生産者が、地御前海域の漁場で水揚げしたかきの商標です。
漁場の管理や養殖技術研究によって高品質なかきとして有名で、市場や消費者から高い評価を得ており、昭和52年度農業祭での天皇杯の受賞をはじめ、二度の水産庁長官賞を受け、ブランドとして確立しています。
また、令和3年11月には「マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)」の養殖認証を受けています。
MEL(メル)は、水産資源の持続的利用や、環境・生態系の保全に配慮した管理を積極的に行っている生産者や加工・流通業者を確認するために、国連機関が策定したガイドラインに沿った仕組みとなっており、日本の水産業の実情に対応した海外でも通用し、信頼される制度です。
MELマークの付いた水産物を選んでもらうことで、豊かな海を守る日本の水産業と魚食文化の発展に寄与することを目指しています。"
という記述があり、今や日本を代表するブランドを確立していると言えます。
また宮島で人気No.1の焼き牡蠣のお店、焼き牡蠣のはやしでも地御前の牡蠣を使用していることを大々的に
HP内で公表しています!
牡蠣が食べれるようになるには
通常の牡蠣はトータルで2~3年かけて大きくなり、お店で食べられるようになります。
牡蠣が食べれるようになるために、下記のような流れになってます。
採苗 0〜2週間
通常、親牡蠣は6月~9月にかけて卵を産卵し、やがて牡蠣の幼生が卵から生まれ、海中で浮遊生活を送ります。
その後、海水中の固着物に付着します。
この時期に牡蠣いかだにつるしたホタテ貝の貝殻を海中に入れておくと幼生(280~380ミクロン)がこれに付着します。
このように幼生を付着させることを採苗といいます。
この方法は400年前から変わる事のない方法で、歴史的な方法となります。
抑制 1ヶ月半〜12ヶ月
夏に採苗した種は、採苗連のまま
抑制という段階に移ります。
この段階では、一日の半分程度を水中から出すことで、強い牡蠣の種を厳選します。
本垂下&育成 11ヶ月〜18ヶ月
抑制を終えると、海に戻します。
本垂下(ほんすいか)という作業になり、牡蠣いかだに吊るす作業になります。
そして、約11ヶ月〜18ヶ月程度の育成期間を通して収穫されます。
流れを詳しく説明した内容は、株式会社日本かきセンターの
コチラでも紹介されています。
牡蠣が食べられるようになるためにも、2〜3年という長い期間と多くの手間がかかっていることがわかります。
有名な地御前の養殖場を歩いてみると
ということで、先にも紹介したブランド牡蠣にもなっている地御前の養殖場に来てみました。
ちょっと天気は悪いですが、奥に養殖に使われているいかだがたくさん浮いているのがわかります。
少し歩いていくと至るところにホタテの貝殻があります。
すごい数で圧倒されます。
これを使って採苗を行うということですね。
少し見ているとスタッフの方がフォークリフトで移動させているのもみれました。
この数のホタテの貝殻だと人力ではさすがに厳しいですからね、、
殻みたいなものが細かく砕かれているゾーンもあります。
何かはわからず、、
別のエリアには船が沢山ありました。採苗や本垂下を行う際に、この船を使ってホタテの貝殻や牡蠣を移動させるために使うものと考えられます。
スタッフさんも忙しそうに働いてました。
現場に来てみると、普段お店で食べている牡蠣が多くの年月と手間を経てお店に並んでいるということを肌で感じることができました。
是非お時間がある方は、広島電鉄地御前駅から歩いて5分ほどで行けるといるアクセスの良さも魅力の地御前・牡蠣の養殖場に行ってみてください。
まとめ
今回は広島県廿日市市といえば、真っ先に思い浮かぶ牡蠣ですが、その中でも全国的なブランドになっている地御前の養殖場を紹介しました。
廿日市市に行ったら必ず1度は目にする牡蠣ですが、実際に広島・廿日市市でなぜここまで牡蠣が有名なのかというのが少しでも知ってもらえていれば幸いです。
牡蠣を食べることが少し楽しくなるでしょう。是非お時間があれば地御前の養殖場にも足を運んでみてください♪