廿日市市をもっと楽しむための総合情報マガジン
海に浮かぶ鳥居が有名な「厳島神社」を始めとする、沢山の観光スポットが詰まっている廿日市市。そんな廿日市市でクマが出没しているという恐ろしいニュースが、連日報道されています。
「廿日市市の学校の塀を、クマが乗り越えるのを見た」「廿日市市で1メートル以上のクマを見た」などと、目撃情報が複数あり、廿日市市内では休校になった学校もあるそうです。
そこで今回の記事では、廿日市市で出没しているクマについて、その生態や対処法まで詳しくご紹介していきます!!
引用:文春オンライン
世界には、全部で8種類のクマが生息しており、日本では、「ヒグマ」と「ツキノワグマ」の2種類の熊が生息しています。「ヒグマ」は北海道のみに生息しており、「ツキノワグマ」は廿日市市を含む本州と、四国に生息しています。
九州と沖縄にはクマはいないと言われています。九州や沖縄の山は、1つ1つの山が分断されていて熊が生きていきにくい環境であることや、熊の主なエネルギー源となるドングリが実らないことなどが理由として挙げられています。
また、本州の中でも唯一、千葉県だけにはクマが生息していないと言われています。千葉県は、島のように海に飛び出している部分が多く、行動範囲が狭くなってしまうことが、クマが生息していない理由であると考えられています。
ここからは、廿日市市で出没している「ツキノワグマ」について、その特徴を詳しくご紹介していきます!
ツキノワグマは、「アジアクロクマ」とも呼ばれ、主にアジア大陸に生息する森林性の動物です。下の地図は、ツキノワグマが生息している地域を示したものです。赤く染まっている地域は、ツキノワグマが絶滅してしまった地域であり、世界全体でみるとツキノワグマの生息地域と生息頭数は年々減っています。国際自然保護連合(IUCN)は、ツキノワグマを「危急種」と認定しており、絶滅の恐れがある希少性の高い種です。
引用:WWFジャパン
ツキノワグマは、朝方と夕方を中心に行動をします。特定の縄張りを持たず、あちこち移動しながら食べ物を探し続けることが、ツキノワグマの生態の特徴です。その行動範囲は、オスで40〜70km、メスで20〜30km程度であると言われています。
クマというと、強くて、凶暴で人を襲うというイメージがあるかもしれませんが、ツキノワグマはとても臆病で、おとなしい動物です。ただ、食べ物への執着心が強く、学習能力が高いため、1度人に慣れてしまったり、美味しいものにありつけたりすると、繰り返し町に入り畑などを荒らしてしまいます。ツキノワグマは、基本的に雑食なので、なんでも食べてしまいます。
12〜4月頃までは、木の穴や、岩穴の中で冬眠をして冬を乗り越え、この間にメスは1〜2頭の子どもを産みます。子育て中のツキノワグマは、警戒心が強く、攻撃的になり、かなり注意が必要です。下の写真のように、小熊は小さくてコロコロしていて可愛らしいですが、近くに母熊がいることが多いので、絶対に近づかないようにしましょう!
引用:阿蘇カドリードミニオン
引用:横浜動物園ズーラシア
体重は、オスが60〜150kg、メスが40〜80kg程度であり、立ち上がった体調はオス・メスともに1mを超えることがほとんどです。
聴覚がとても優れていて、特に高音に敏感です。視力はあまり良くないですが、嗅覚が犬並みに優れていて、匂いを元に食べ物を探します。
ツキノワグマは、100mを8秒以内で走ることができると言われるほど、足が速く、木登りも泳ぎも得意で、かなり運動能力が高いクマです。(ちなみに、人間最速のウサインボルト選手は100mを約10秒で走ります。)また、噛む力は数百キロにも及ぶと言われており、人間なんて、ひとたまりもありません!
引用:Abemaブログ
廿日市市内でツキノワグマに遭遇してしまった際の対処法をご紹介する前に、まずは、そもそも、クマに遭遇しないための予防策をご紹介します!一般的によく挙げられている対策としては、
・熊スプレーを持参する
・熊鈴を鳴らしながら歩く
ことなどが挙げられます。
先ほどお伝えした通り、ツキノワグマは、かなり臆病で、おとなしいため、人が出す音や匂いを感じると、怖がって近寄って来にくくなります。また、野外での食事後はゴミをきちんと処理し、食べ残しや匂いを残さないことも重要です!一度人間の食べ物の味を学習してしまったツキノワグマは、その後何度も人里に降りてくるようになってしまいます。
万が一ツキノワグマに遭遇してしまった場合、気が付かれないように静かにその場から立ち去ってください。
もし、クマに気が付かれてしまったら......
目線を合わせたり、物を投げたりして、クマを挑発してはいけません!!
ツキノワグマとの距離が十分にある場合は、ゆっくりと後ずさりをして逃げましょう!
怖いからといって、背中を向けて走って逃げると、ツキノワグマの追跡本能を刺激してしまい、襲い掛かってくる可能性があります。
至近距離でツキノワグマに遭遇してしまった場合は、両腕で顔や頭を覆い、うつ伏せになるなどして急所を守ることが重要です。動かずに死んだふりをすることも効果的であると言われています。戦おうとせず、クマの興味がこちらから無くなるのをジッと待ってください。
廿日市市では、警察がパトロールを強化して、地域住民に注意を呼びかけています。
また、「クマレンジャー」という、クマを知り尽くした廿日市市民のボランティアの方々が、地域を見守る活動も積極的に行っています。
廿日市市だけではなく、全国のクマが出る地域で、「クマを優先するエリア」「人の生活を優先するエリア」と細かく分けて、クマとの共存を図ろうとする「ゾーニング管理」が進んでいます。人里に降りてきた全てのクマを駆除してしまうのではなく、人の生活を守りつつ、クマの安全も守れるような仕組みづくりに力を入れているのです!!
引用:朝日新聞
今回の記事では、今廿日市市に出没しているツキノワグマについて、詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたか?
廿日市市屈指の観光地である宮島内には、熊は生息していないそうですが、廿日市市内の観光地を訪れる際は注意が必要です!!
動物園で見たら可愛らしく見える熊も、街中で見たら恐怖で動けなくなりますよね。。
ただ、熊たちは、人間を驚かしたくて町に降りてきている訳ではありません。生きるために必死なんです...。熊と人間、お互いに良い距離を保ちながら共存することができる社会を目指していきたいですね!!
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