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2025年、大阪で開催され大盛況を極めている「大阪・関西万博」。
国内外からあらゆる芸術・技術の粋を集めた、ワクワクするパビリオンがいっぱいの万博。でも、「全然予約取れないって聞くし……」や「何を見ればいいのかよくわからん」など、どこか遠い世界の話として一歩引いて見ている方も少なくないのではないでしょうか。
でも実は、僕たちの地元・広島も、この万博にしっかりと関わっているんです!
「えっ、広島が万博に?」「どんなブースが出るん?」と思ったあなたにこそ読んでほしい今回の記事。
被爆から80年という節目を迎える2025年、広島県が届けるのは“未来へつながるエネルギー”と“平和への想い”。その両方が詰まったブース「RE:WORLD HIROSHIMA」が、2025年夏に登場します。
この記事では、その見どころを地元民ならではの視点で紹介していきます。読んだあとには、きっと「これは行ってみんといけん!」と思うはずじゃけぇ。
画像引用:PR Times
広島県が出展するのは、「RE:WORLD HIROSHIMA」というタイトルのブース。開催期間は2025年8月5日(火)から8月9日(土)の5日間。場所は、大阪・関西万博の中にある「ギャラリーEAST(約300㎡)」というエリアで、全国の自治体などが集まるスペースです。
このブースの副題がまた良いんです!題して、
「被爆80年―いのち輝き、おいしいがあふれる広島のピース&エナジー」
平和とエネルギー、両方の視点から、万博を訪れた方々に、広島の“今”を伝える内容になっています。
中でも注目したいのが、メインコンテンツとして用意されているインタラクティブな映像体験。大画面に映し出されるのは、被爆からの復興、そして現在の広島のまちの姿。その変遷を、音楽と映像、さらに身体を使って体感できるんです。例えば、画面の前で手を上げると音が鳴ったり、キャラクターが動いたり。まるで広島の“エネルギー”を、自分の身体を通して受け取るような感覚になるそうです。
また、8月6日には、広島で開催される国際平和のためのユース対話イベントの様子も、万博会場から配信予定とのこと。広島と世界が、リアルタイムでつながる。そんな象徴的な1日になるはずです。
「万博って、派手な最新技術の話ばっかりなんじゃないん?」と思う方もいるかもしれません。
たしかに、そういう側面はある。でも、「過去と向き合い、そこから何を学び、次にどう進むか」という問いに向き合うブースがあるのも事実。そしてそれを担うのが、わたしたちの広島なんです。
画像引用:環瀬戸内海地域交流促進協議会
大阪万博に出展する「RE:WORLD HIROSHIMA」ブースの中は、ふたつのゾーンに分かれています。ひとつは「ピースゾーン」、そしてもうひとつが、この章で紹介する「エナジーゾーン」。
このエナジーゾーンでは、広島の“おいしい”が五感で体験できるようになっています。ただし、会場の性質上、実際の飲食提供は難しいらしく、ここでは視覚・聴覚・嗅覚を使って食の魅力を伝える仕組みが用意されているんです。
例えば、大画面で広島お好み焼きが焼き上がる映像を見ながら、ソースの香りがふわっと漂ってきたり(※香りの演出は技術的に可能とされています)、瀬戸内のレモンや牡蠣などの特産品が“どう育って、どう食べられているか”を学べるコンテンツがあったり。
僕が個人的にグッときたのは、広島県内の飲食店の映像紹介コーナーがあるらしいという情報。
調べた限りでは、地元の商店街のあの店、帰省したら絶対寄るあのラーメン屋。そういう“ローカル”な魅力を、ブースの中で再発見できる……はず。
地元の懐かしい場所の映像とかを見ると「今度帰省したら、また行ってみよ!」って思いますよね。
僕のように、生まれてこの方広島に住み続けている方も、もう地元を離れて働いたり家庭を持っておられる方も、みんなが楽しめるゾーンになっているようです。
観光や食に関する情報は、広島県観光連盟のSNSやアプリとも連携して発信される予定です。ブースで出会った“おいしい”が、そのまま広島への旅のきっかけになっていく…そんな未来が描けるゾーンなんですね。
画像引用:PR Times
もうひとつのゾーンが、「ピースゾーン」。ここは、広島が世界に発信し続けてきた“平和のメッセージ”に触れるエリアです。
まず目を引くのが、原爆投下前後の広島の様子を体感できるVR体験。爆心地周辺のまち並みや、復興の様子を立体映像で再現し、まるでその時代にタイムスリップしたかのような没入感を味わえる展示です。
僕自身、原爆ドームや平和記念資料館には何度も足を運んできましたが、「その場にいるような感覚」で見ると、あらためて重みが違ってくるだろうなと感じます。
さらに印象的なのが、「#未来へのおりづるキャンペーン」との連携展示。これは、SNSを活用して世界中に平和の祈りを届けるプロジェクトで、広島県と「へいわ創造機構ひろしま(HOPe)」が2021年度から実施しているもの。2025年で5年目を迎えるこの取り組みは、万博の場でもしっかりと紹介され、万博会場内で折り鶴を実際に折れるワークショップも開催される予定です。
折り鶴って、小学生の頃は“なんとなく折るもの”だったけど、今あらためて触れると、そのひとつひとつが誰かの祈りなんだなと、しみじみ思うんですよね。
さらに注目したいのが、8月6日に広島県で開催される「国際平和のためのユース対話イベント」が、この万博ブースでも中継されるという点。原爆の日に広島の若者たちが世界と対話し、その様子が万博という“未来の祭典”で共有されるというのは、非常に象徴的な瞬間だと思います。
万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。その未来をつくるために、広島からの“平和のバトン”がしっかりと握られている。そんな力強さを感じるピースゾーンでした。
画像引用:いこーよニュース
ところで…
「広島×万博?!」と聞いて、ピンと来る人もいるかもしれません。
実は2025年の春、広島市内で「おいも万博 HIROSHIMA」が開催されたんです!
関西テレビが主催するこのイベントは、“焼き芋”や“芋スイーツ”に特化した全国規模のおいもフェス。広島では旧広島市民球場跡地にて、2025年2月22日〜24日の3日間行われた模様。
会場には全国から人気のお芋スイーツ店が集結。行列ができるほどの大盛況だったらしく、SNSでも「おいも天国じゃった!」「全メニュー制覇したい」といった投稿が目立ちました。
著者自身は今回の記事を書くにあたって初めて開催を知ったのですが、SNSを見ると大学芋がごろっと乗ったクレープや、バターがたっぷりかかった焼き芋など、どれも美味しそうで、参加しなかった自分を心の底から憎みました。次回開催の際には、絶対に行きたいと思います。
こういうミニ『万博』系のフードイベント、けっこう好きなんですよね(笑)。
もちろん正式な「国際博覧会」とは別モノですが、「地元からワクワクを発信する場」という意味では、本家・大阪万博にも通じるものがあるように感じますよね!……ね!
画像引用:PR Times
さて、大阪万博に話を戻して……広島ブース「RE:WORLD HIROSHIMA」には、“その場だけで終わらない仕掛け”が、しっかりと用意されています。
まず注目したいのが、広島県内各市町の観光スポットやグルメ、文化資源を網羅した大型マップ。県内全域の魅力を一望できる展示で、「こんな場所あったんじゃ!」「地元のここの景色、めっちゃ好きだった!」といった、ちょっとした発見や懐かしさに出会えるつくりになっています。
また、観光PR動画も常時流れていて、旅心をくすぐる映像と音楽に包まれながら、まるで“広島旅行の予行演習”をしているような気分に。地元民でも「これ今度の帰省のとき寄ってみよっかな」と思わせてくれる、そんな情報が詰まっています。
さらに特筆すべきは、広島県観光連盟(HIT)によるSNSやスマホアプリとの連携。ブースを訪れたあとも継続的に情報を届けられるように、フォロワーや登録者を増やす導線が整備されているんです。
つまり、
「ブースで広島の魅力に触れる」→「興味を持つ」→「アプリやSNSで詳細をチェック」→「実際に現地へ行く」
という、自然な流れをつくっているわけですね。
実際、ブースの来場者目標は5日間で12,000人以上とされており、万博という巨大なイベントの中でも広島の存在感を発揮する、貴重なチャンスとなっています。
普段はなかなか帰省できない人も、このブースで“地元の今”に触れたら、きっと心が動くはず。
「あー、久々に広島に帰ってみようかねぇ」って。
画像引用:PR Times
大阪・関西万博という未来の祭典。その中にしっかりと根を下ろすように、広島は「RE:WORLD HIROSHIMA」というブースで、平和の想いと、地域のエネルギーを発信します。
「被爆80年」という節目。
「おいしい、楽しい、平和」というテーマ。
そして「人と人がつながる、次の一歩を考える場所」としての広島。
このブースを通して感じられるのは、単なる観光情報やグルメ紹介を超えた、“広島の魂”そのものかもしれません。
万博で未来を見に行くついでに、地元とちょっと再会してみませんか?
そして、そこで感じたことを、また広島へと持ち帰ってくれると嬉しいです。
「未来は、広島にもつながっている」
そんな実感が得られるブースになること、間違いなしです。
ネット情報 2025/07/03
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