廿日市市をもっと楽しむための総合情報マガジン
こんにちは!広島県廿日市市出身、地元宮島の魅力を発信したすぎるWEBライターです。
さて、この記事は2月18日(ちなみに、安眠の日です)にアップロードされるわけですが……今週末(来週頭?)は、多くの方が3連休なのではないでしょうか?
2月23日の日曜日が『天皇誕生日』で、月曜が振替休日というわけですね。
そこで今回は、実はたくさんある、『宮島』と『天皇陛下(皇族)』の関係についてご紹介していきます。
突然ですが、皆さん『宮島』と『天皇』という言葉の組み合わせを聞いて、何を思い浮かべますか?
おそらく、厳島神社や日本の歴史に詳しい方は「天皇の勅願所としての厳島神社」や「明治天皇の行幸」などを思い出されるかもしれません。地元育ちだと、先生によっては小学校の行事などで教えてくれる場合もありますね。
実は、宮島は古くから歴代天皇と深い関わりを持つ場所であり、当時の天皇陛下による参拝や、勅願所としての役割を多く担ってきました。
今回の記事では、歴史を紐解きながら、宮島と歴代の天皇のゆかりについてご紹介します。
また、宮島観光の際に訪れてほしい、天皇(皇族)にまつわるスポットも取り上げていきますので、ぜひ最後までお付き合いください!
とはいえ、『宮島』と『天皇』というワードが、あまり頭の中で結びつかない方も多くいるかと思います。
代表的なところからご紹介すると……宮島は、ご存知の通り古くから「神の島」として崇められ、かの有名な厳島神社が鎮座していますが、そんな厳島神社の創建は593年、推古天皇がご即位された年であると伝えられています。
このように、実は細かい部分でも、宮島と天皇家には、深いつながりがあるのです。
余談ですが、著者は推古天皇(額田部皇女)の歌では、
君待つと 我が恋居れば 我がやどの 簾動うごかし 秋の風吹く
が好きです。全然いまの時期の歌ではないですが、恋の歌っていいですよね。
さて、このように古来より、宮島は歴代天皇と深い関係を築いてきました。
それではここから、宮島と天皇に関わる、代表的なエピソードを詳しくご紹介していきます!
宮島と天皇の関係を語るうえで欠かせないのが、厳島神社です。
記事の序盤でもご紹介した通り、厳島神社の創建は推古天皇元年(593年)と伝えられており、当時の朝廷とも深い関係がありました。
のちに、平安時代に入ると、天皇や貴族からの崇敬はさらに厚くなり、全国的にも有名な神社となりました。
また厳島神社は歴代天皇の勅願所(その当時の天皇陛下の勅命により、国家安全などを願う寺社)としての役割も果たしており、国家の安泰や海上通行の安全を祈願する場として、とても重要視されてきました。
ほかにも、現存する厳島神社の社殿は仁安3年(1168年)に平清盛が建てたものですが、これも実は朝廷とのつながりが深まった結果と言えることなんですよ。
平家全盛の時代、厳島神社は、朝廷と武士の橋渡し的な役割も果たしていたのかもしれませんね!
宮島が歴代の天皇とゆかりがあることを示すエピソードのひとつに、明治天皇の行幸(天皇の巡幸)があります。
明治天皇は、1885年(明治18年)の7月31日に宮島を訪れておられたのですが、その際、宿泊先として選ばれたのが宮島の大聖院です。
大聖院は宮島最古の寺院であり、厳島神社とともに長い歴史を誇る場所です。
明治天皇はこの地で休息をとられ、宮島の美しい景色や歴史的価値を称賛されたと伝えられています。
現在、大聖院には「明治天皇行在所(あんざいしょ)」と記された碑が残されており、明治天皇の訪問の証として今も多くの人が訪れます。
かくいう私も大聖院に行くたびにこの碑の前を通るのですが、改めて「ここに明治天皇がいたのか」と思うと、歴史の重みを感じます。
訪れる際には、大聖院の境内を散策しながら、明治天皇の足跡を感じてみるのもいいかもしれませんね!
大聖院の見どころについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください!
また大聖院には、ほかに当時を描いた絵も飾られており、明治天皇だけでなく、随行した伊藤博文(後に初代内閣総理大臣)や、広島県令(今の県知事)千田貞曉の姿も描かれています。宮島を訪れた際には、ぜひ探してみてくださいね!
このご訪問は、明治天皇が全国を巡幸されていた時期のもので、宮島もその一環として訪れられました。
明治天皇は、当時に至るまで、歴代天皇のご在任中には皇居から近畿圏より先まではほぼ行われることのなかった巡幸で広島を訪れたため、それまで一定の官位が無いと会えなかった天皇が、自ら足を運んで人々の前に現れる事自体が、歴史の転換点であったとまで言われています。
インターネットやテレビどころか、新聞すら今より普及していなかった時代、当時の人からすると『天皇陛下の実際のお姿を拝見できた』ということは、現代人の我々にはわからない大きな衝撃だったのではないでしょうか。
当時の宮島にタイムスリップして、大騒ぎぶりを体感してみたいですね(笑)。
宮島と天皇の関係は明治時代までにとどまらず、昭和22年(1947年)には昭和天皇陛下が、平成7年(1995年)には平成天皇皇后両陛下が、広島県を訪問されています。
昭和天皇(裕仁天皇)は戦後、日本各地を巡幸され、広島にも訪れました。
広島県全体の復興と平和を願い、多くの場所を巡られたことはよく知られています。
この際、広島市内の平和記念公園で供花を行い、原爆養護ホームを視察されました。こちらも、天皇家と宮島、ひいては広島県との関わりとして大きな出来事のひとつですね。
また、昭和天皇は生物学にも造詣が深く、厳島の生態系にも関心を持たれていたと言われています。
厳島神社周辺の干潟をはじめとする自然環境や海洋生物についての研究をされていたこともあり、宮島の環境保全に対しても一定の関心を示されていたのではないかと言われています。
また時は流れ、令和7年の今年も、令和天皇皇后両陛下が、6月下旬に広島を訪問されるそうです。
今年、2025年は第二次世界大戦後80年になる年です。広島県民として、日本国民として、改めて国際平和について考えていきたいですね。
今回は、週末に迫った天皇誕生日にちなんで、宮島と天皇の関係について掘り下げてみました。
厳島神社が勅願所としての役割を担っていたり、明治天皇、昭和天皇、平成天皇、そして令和天皇とのご縁など、宮島は歴代天皇とさまざまな形で関わりを持ってきた場所です。
改めて考えてみると、宮島という土地は単なる観光地ではなく、日本の歴史の中で重要な役割を果たしてきたことがわかります。
これから宮島を訪れる予定の方は、厳島神社や大聖院だけでなく、明治天皇行在所跡などの歴史スポットもぜひ巡ってみてくださいね!
また今年は、戦後80年の節目になる年。
戦中、非常に甚大な戦災に遭った広島県では、平和について考える式典なども随時開催されます。
ぜひ宮島だけでなく、広島県全体に足を運んで、2025年の広島県の様子を、心に刻んでほしいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
これからも宮島の魅力をどんどん発信していきますので、どうぞお楽しみに!
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