廿日市市をもっと楽しむための総合情報マガジン
皆さん、こんにちは!広島県廿日市市在住の、夏大好きだけど暑さには弱い、困ったWEBライターです。
既に台風まで発生して、いよいよ夏も真っ盛りといった様相!
暑さが本格化してくると、どこからともなく響いてくるのが、風鈴の「チリン…チリン…」という音。うだるような暑さの日でも、風鈴の音色が聞こえてくると、ふと心が涼むような気がして、大好きです。
子どもの頃、夏休みに祖父母の家の縁側で昼寝していたとき、軒先につるした風鈴がそよ風に揺れる音が、子守歌のように響いていたのをよく覚えています。
暑さでぼんやりした意識が、風鈴の音でス~ッと整うような、不思議な感覚でした。
そんな“聴く涼”の風鈴を、心ゆくまで楽しめるのが、日本全国で開催される「風鈴まつり」や「風鈴市」。
今回の記事では、地元・廿日市の風鈴まつりから、全国の有名な風鈴イベントまで、幅広くご紹介します!
画像引用:公式サイト
地元・廿日市市にも、風鈴の涼を楽しめる素敵なイベントがあります。
上平良に鎮座する速谷神社では、2025年も恒例の「風鈴まつり」が開催されています。境内には約500個のガラス製風鈴が吊るされ、風が吹くたびに爽やかな音色が響き渡り、まるで音のトンネルをくぐっているかのような趣があります。
今年、令和7年(2025年)の開催期間は、6月末~8月末まで。神社では風鈴の短冊に願い事を書いて吊るすことができ、奉納した人にはガラス作家・藤島孝臣さんによる手作り風鈴がプレゼントされるという嬉しい特典もありますよ!(先着順、数量限定)
境内に並ぶ風鈴は、透き通るような涼しさを感じるような爽快感があり、夏の青空と緑の木々に映えて見た目にも涼しさたっぷり。歩くだけで自然と暑さがやわらぐような心地よさもあって、暑さでまいってしまいそうな日でも「やっぱり来てよかったな」と思えるイベントです。
実際に訪れた方からは、「風が通ると風鈴が揺れて、思わず微笑んでしまう」「音色が静かに体に響いて、暑さを忘れられた」といった声も多く聞かれます。
また、廿日市の速谷神社は、長らく中国~九州地方で唯一の官幣大社であった、由緒正しい神社。
こんな歴史ある廿日市の名所で開催される風鈴まつりは、まさに“日本の夏の涼体験”と呼ぶにふさわしい光景。ぜひ今年も、廿日市で訪れてみたいイベントの一つです!
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住所:〒738-0026 広島県廿日市市上平良308-1
電話:0829-38-0822
祈祷時間:午前8時~午後5時(予約不要)
アクセス:廿日市インターチェンジから約5分
公共交通機関の場合は、JR広島電鉄の駅より、廿日市さくらバス原ルートをご利用ください。
速谷神社バス停より徒歩1分(JR廿日市駅・廿日市市役所前駅経由)
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廿日市の速谷神社のように、夏の風物詩として風鈴をテーマにした催しは、実は全国各地でも数多く開催されています。
神社仏閣を舞台に、風鈴の音色とともに日本の夏を感じられるイベントは、どれもその土地ならではの趣や演出があって見応え・聴き応えともに満点。ここでは、2025年に開催される注目の風鈴まつり・風鈴市を3つ、ご紹介します!
画像引用:公式サイト
群馬県桐生市の臨済宗・宝徳寺で開催されるこの「風鈴まつり」は、2025年7月5日(土)から9月23日(火・祝)までの夏季限定イベントです。
境内には約3,000個もの風鈴が並び、訪れる人々はそれらが奏でる涼やかな音色に包まれながら、願いごとを書いた短冊を吊るして祈願することができます!
この風鈴トンネルはインスタ映えも抜群で、夏の木漏れ日や本堂の『床もみじ』と一緒に撮影するのが人気。
特に注目なのが、光り輝く本堂の床に映る緑のもみじ模様で、7月~9月限定の幻想的な光景です。期間中は「夏の床もみじ特別公開」も行われ、本堂内は9:00~17:00(閉門17:30)まで拝観可能です!
ただし、8月13日・16日の午前中は、お盆の法務行事により不可となるため注意してください。
参拝料は大人500円(風鈴祈願短冊付き)、高校生以下は無料。床もみじの拝観には別途300円がかかります。駐車場も完備され、家族連れやカメラ好きの方にも人気のスポットです。多彩な傘で彩られた「アンブレラスカイ」や、お地蔵さまがたくさん並ぶ参道も見どころ。音と光、そして写真映えを兼ね備えた、夏のお出かけにぴったりの風鈴まつりです。
画像引用:公式サイト
次にご紹介するのが、神奈川県川崎市を代表する夏の風物詩、「第30回 川崎大師 風鈴市」。
2025年は、7月17日(木)〜21日(月・祝)に川崎大師平間寺境内で開催されます。開催時間は毎日10:00~17:00。ただし20日のみ夜間(~19:00)まで延長され、夜の涼やかな雰囲気も楽しめます。
会場には全国から集まった800種類・約20,000個の風鈴がずらりと並び、素材や音色の違いが体験できる見どころ満載です。また、圧巻の風鈴たちだけでなく、20日に開催される大師地区の踊り子約200人が浴衣姿で仲見世通りを練り歩く「踊り練り込み」も見逃せません!
また川崎大師は厄除け大師として有名だそうで、「厄除開運だるま風鈴守」など限定グッズの販売や、古くなった風鈴を境内で供養する「風鈴納め所」も設置されるようです。
特別な名入れサービスや夜間の雰囲気もあり、家族連れから浴衣デートまで幅広い世代で楽しめます。傾向的に、熱中症対策として会場でも麦茶配布などの気配りもあり、暑い夏でも安心して訪れることができる点も魅力です。
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新潟市の総鎮守である、白山神社でも「夏詣風鈴まつり」が開催されています。
境内の水辺に色とりどりの風鈴が吊り下げられ、清涼感溢れる涼やかな空間が広がる「夏詣風鈴まつり」。今年の開催期間は6月28日~7月21日までです。
こちらでは、たくさんの風鈴と共に、新潟独自の風景と融合した神聖な涼が楽しめます。
境内の水辺が風鈴の音をより涼しげに響かせ、また水面に映るきらきらとした風鈴は、SNS映えも抜群です。短冊奉納やお守り風鈴の授与など、願掛けの文化も盛んで、祈りと音色の両方を味わえる夏の神事イベントとして人気を集めています。
以上、風鈴をテーマにした全国の注目イベント3選をご紹介しました。どの会場も風鈴という“音の涼”を中心に、それぞれの土地らしさを感じられるのが魅力。広島だけでなく、今年の夏は少し足を伸ばして風鈴の音を巡る旅に出てみるのも素敵かもしれません。
風鈴というと、日本の夏を象徴するアイテムのひとつですが、そのルーツは実は唐の時代の中国にあります。
風鈴の原型とされているのは、「風鐸(ふうたく)」という青銅製の鈴で、これは仏教と一緒に日本に入ってきたものと言われています。
当時の日本では、強い風は流行病などの悪いものを運んでくる、よくないものであると考えられていました。そこで、音が届く範囲内を災いから守ってくれるものとして、お寺の軒の四隅に風鐸が吊るされるようになっていったそうです。
ただし、当時使われていた風鐸は青銅製だったため、私たちが慣れ親しんだ風鈴のような軽やかな音ではなく、どちらかというとお寺の鐘の音に近いような、鈍く重い音だったと考えられています。
平安時代ころには宮中でも用いられるようになり、呼び方も「風鈴」へと変化していったとされていますが、まだこの頃の風鈴は、貴族や僧侶など限られた層のものでした。
現在のように、庶民に広く浸透しはじめるのは、江戸時代に入ってからのこと。日当たりのために南側に設置されることが多かった縁側ですが、よくない方角である「裏鬼門」とされる南西を向いていることも多かったため、庶民にも魔除けとして飾られるようになっていったという説もあります。
このころには、ガラス製の風鈴が登場したことにより、見た目にも華やかで涼やかなインテリアとしても取り入れられていくようになったそうですよ。
現在の風鈴は、金属製、陶器製、ガラス製など素材も多種多様で、形も伝統的なものからキャラクターものまでさまざま!
商業施設や観光地での装飾としても使われ、音を楽しむだけでなく、見た目の華やかさも兼ね備えた「夏の風物詩」として、私たちの生活に溶け込んでいます。
というわけで、今回は「広島」と「風鈴」をテーマに、速谷神社の風鈴まつりや全国の注目イベント、そして風鈴の歴史と暮らしとのつながりをご紹介してきました。
夏の暑さをしのぐ方法はたくさんありますが、どれも“物理的な冷却”が中心になりがちです。そんな中、風鈴の音は、単なる冷たさではなく、心に届く涼しさを与えてくれます。
もちろん、熱中症対策なども考えて、物理的に冷やすことが最優先ではありますが……「暑いと思うから暑い」とはよく言ったもので、気分的に「暑い、つらい」と感じにくくすることも、廿日市の酷暑を乗り切る秘訣のひとつです。
速谷神社のように、近場の廿日市で風鈴の音に癒されるのもいいですし、旅がてら各地の風鈴まつりを巡るのも楽しそうですよね!
今年の夏は、ちょっと耳を澄ませて、“音の旅”に出てみてはいかがでしょうか。
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